午後

日記

読書メモ スタニスワフ・レム ソラリス

謎。よくわからなかった。この小説はラブロマンスとしての側面があるらしい。悪いと思った。そちらの側面は、全くもってよくわからなかった。不人気で不毛な社会に飽きられた、可能性の満ちたブルーオーシャンに飛び込む話だと前半部分を読んで解釈してみた。

 お客さんに執着するより、やることあるのでは?危害を加えない、主の存在を確認出来れば大人しい生き物じゃないか。

 

主人公が気味悪かった。主人公は研究者向きの性格をしていなかった。なんのためにソラリスに来たのだろう。動機がわからない。研究者としての探究心もない。研究したって不毛なことが分かったからこんな適正の無さそうな犯罪歴のある人間も来れるようになったのだろうか。そう、私はこの主人公のことが好きではない。小学生の頃憧れてとのことらしいが。感情的で自分の主観を優先させる。不毛なひらめき。縁切りロケット睡眠薬に励んだと思ったら心機一転「ハリーは大切だ」のようなことをわめくわめく。サルトリウスとスナウトが可哀想だ。

 

二人はお客さんを丁重に扱わなかった。血を出したり、縁切りロケットをしたり、ドアを閉めたり、お客さんを追い出すことに終始していた。お客さんを追い出さないと研究は進まないのだろうか。

 

スナウトは何がしたかったのだろうか。ニヒルで退廃的なムーブをし続けるだけ。物語を動かしたのはサルトリウスとクリス。傍観ばかりしていて、助言をする。とおもったら「クリス!!お客さんって言うな!!」と怒り出す。本当にお客さんのことが大嫌いだったのであろうか。排除したくてしたくてたまらなかったのだろうか。

 

なんだか惑星ソラリスの静謐な雰囲気のせいか元気がない。スナウト、サルトリウスも前科があって世棄て人のようにこの惑星に降り立ったのだろうか。

 

小説はずっとクリスの目線であった。時々ソラリス文献を読んでいる。だからサルトリウスとスナウトの像が結べないのだろうか。この人たちの描写が希薄に覚えた。参っていた。遊べばいいじゃないか。どれだけ食物が食えるか、とか頭を切っても回復するのか、とかお客さんの血を自分の火傷跡に塗りたくったら再生するのか、とか。やり尽くしたのかな。クリスが降り立つ前に。このお客さんの可能性に挑戦してレポートを書けばいいじゃないか。ギバリャンが科学的にこの起こっている状況を証明しようとしたらしい。スナウトが話さなかったということは、不毛でばからしいということだったのだろうか。スナウトはクリス着陸後に「サルトリウスと俺以外のものが現れたら、何もするな」何を言っている?お客さんに酷いこと千万至れり尽くせりしているじゃないか。

 

なぜお客さんの消滅を頑張っているんだ?うんざりするならサルトリウスのお客さんだけその作り上げたニュートリノ非安定機械で消滅させればいいじゃないか。主人公だってハリーのこと愛しているならサルトリウスに「やめろ」って喧嘩すればいいじゃないか。主人公は主人公のお客さんと特殊な愛を育もうとしているじゃないか。仕事に支障がないなら放っておけばいいじゃないか。書いてあったよ。16年宇宙飛行士してたベテランのレポートに。「これは幻覚なのかもしれません。もしも1パーセントでも捜査の価値があるならお話します。無いのなら、話しません。なぜなら個人的な事だからです。」なぜ隠す?なぜ「これはお客さんです」って紹介しないでこの奇妙奇天烈な世界観でも体裁だの水面下での人間レベルの頭脳戦をおっぱじめようとする?そんな場合か?

 

ギバリャンは死んだ。ギバリャンのお客さんは黒人の女性だった。異様に身長が大きく、死後はギバリャンの霊安室で寝ている。海は複製物を巨大にして作る。まだお客さんを作ることに関しては未完成だったのかな。異質。この女性を縁切りロケットにしたら、どうなるのだろう?寝ている間に記憶からお客さんが形作られるというのが推論されていた。二度とかえってこないのかな。話を聞いてみたらどうなんだろう。死んだのに発狂しないんだね。気になるな。

 

ソラリスの海は怖かった。素晴らしい。巨大な赤ちゃんが高速に系統的に実験されているシーン。不気味だ。素敵。海は複製物を作る。積極的に参加したと思ったら沈黙を貫く。攻撃する意図は無い。作ったと思ったら、醜く破壊される。3人しかいないと思ったら、ぺたぺたぺた。ホラー映画より怖い。ここは最高に魅力的だった。良質ホラーだ。お客さん以外にも気味の悪い要素たくさんあるんだろうなって期待した。ずーっとお客さんの話だった。後半は飛ばして読んだ。妙に痴話喧嘩で、人間じみていて、興冷めした。

 

たくさんのソラリス文献がある、読んだにも関わらず何故ここまでにも収穫のないことばかりしている?罰ゲームでここに来たのではないだろう?

前半部分は素敵だった。後半のラブロマンスはよくわからなかった。海と対話しようとしてるんじゃない。お客さんを追い出す方法求むしているだけだ。

 

物語として作られた感が無かった。「怖いだろ」って顔が見えなかった。リアリティがあった。主人公、病んでいて狂っているから許されれば一生を終えるまで擬態形態ハリーと一緒にいそう。